今月の詩
ウソ    川崎 洋  
 ウソという鳥がいます
 ウソではありません
 ホントです
 ホントという鳥はいませんが

 ウソをつくと
 エンマさまに舌を抜かれる
 なんてウソ
 まっかなウソ
 
 ウソをつかない人はいない
 というのはホントであり
 ホントだ
 というのはえてしてウソであり
 
 冗談のようなホントがあり
 涙ながらのウソがあって
 なにがホントで
 どれがウソやら
 
 そこで私はいつも
 水をすくう形に両手のひらを重ね
 そっと息を吹きかけるのです
 このあたたかさだけは
 ウソではない と
 自分でうなづくために


     出典「日本の詩 いきる」小峰書店

 さまざまな情報が氾濫し、悲惨な事件が相次ぐ昨今、何が本当で何が嘘なのかわからなく
なることがあります。信じたくないような事実、悪意または善意の嘘。学校ではウソはいけな
いことと教えていますが、世の中にはウソが必要な時もあるのかもしれませんね。
 そんなとき子ども達には真実を見極める目と心が大事なのだろうと思います。
 たくさんのことを経験し、状況を分析し、そして人の心の痛みを思う。するとおのずと必要なこ
とが見えてくるのかもしれません。
 学校はそれらを学ぶ場でありたい。生涯の財産となるべきものを育てたい。

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